和田玉の種類は、色味で、主に白、青、黒、黄、緑などの五種類に分けられています。 純粋な透闡石で構成された軟玉は、純白色で非常に量も少なく高級とされ高価なものとなりますが、軟玉が形成された時、透闡石に鉄などの微量元素が混入されると、混入の元素の種類と量に応じて、青、黒、黄、灰色、青白、黄緑、灰緑、黒緑、深緑等の色が現れるものもあります。 また別の物質が混合した雑色も多く、その場合、彫刻過程のデザインによって、玉の欠点が巧妙に利用されて、宝物に変える技術もあります。
羊脂白玉 ようしはくぎょく
透角闡石の含有量が99%あり鉄の含有量が少なく玉の中でも白玉が最も高級とされる和田玉です。 白玉の中でも特に上質とされるのが半脂のように白い「羊脂白玉」と呼ばれています。この玉の特徴はヨーグルトの様に白く粘り感があり、細かくて潤い感があり、しっとりとし光に当てると温かいピンク色が出てくるという、数が極めて少ないので非常に高価な玉です。
白玉 はくぎょく
中国では昔から白色は純潔の象徴とされ、漢書に「潔白の土を顕す」と言われてきました。白玉は白くて美しいだけでなく、質も良いので特に注目され貴重とされており高価です。中国歴代皇帝は白玉を好み、宮延では宮職と爵位を象徴する玉帯(玉をはめ込んだ帯)も玉で怠作されていました。
青玉 せいぎょく
文字通り、青玉は青色を有するもので、浅い青から深青まで、種類がたくさんあります。 透闡石の含有量が93~95%でその他鉄やチタン等の不純物が混じっています。 質は白玉ほど細かくなく、色も白玉ほど美しくはありません。
紅玉 こうぎょく
近年では、採取困難になり、極めて入手できなくなりました。 白玉や羊脂白玉と同じように数も少なく高価な玉です。 上品なものは極めて少ないです。
青花玉 あおはなぎょく
比較的値段も安く、良く見られる玉です。 黒と白が混ざった色で、黒と白がはっきり分かれているものが良いとされています。 また白いものの中に、黒い斑点がないものも良い青花玉です。
青白玉 せいはくぎょく
青白玉は、白をベースにわずかに緑や青又は灰色が混じっています。 青白玉の微細な透閃石結晶体の間にやや大きめな結晶があり、その斑晶が長柱状となっています。白玉、青玉と青白玉は色合いにおける区別が主に酸化鉄(FeO)の含有量の違いによるもので、酸化鉄の量が青玉、青白玉、そして白玉の順に従って段々と減少します。
碧玉 へきぎょく
碧玉の成因は、ほかの軟玉と異なり、超塩基性岩石の熱水変質作用による生成物なので、ほかの軟玉にないニッケル、コバルト、クロムなど超塩基性岩の特有の元素を含んでいます。一般的に(碧玉の)質が白玉ほど細かくありません。 上質な碧玉は色が翡翠(ヒスイ)に似て、大まかに見るには翡翠と混乱しやすいです。
墨玉 すみぎょく
白玉と青玉の変質のプロセスの過渡期形成されたもので、化学成分は青玉と似ており、主に新彊崑輸山、喀拉喀什河和黒山、黒山と阿尓金山地区で産出された玉です 。 黒色を呈するのは多くの微細な炭素が含まれるからで、全体的に真っ黒なものから黒が点在するもの、あるいは扁平状の黒い雲の様なものもあります。
黄玉 おうぎょく
和田白玉と化学成分は同じですが、玉全体に酸化鉄の存在によって黄色になっているものが黄玉になります。透闡石の粒は細かく、しかも大きさが均一で半透明で柔らかな光沢が見られます。薄いものから濃い黄色まで様々な色があり、中でも鶏黄色、密蝋黄色、栗黄色は特に好まれる玉です。 新彊崑輸山地区で産生されてきましたが、現在ほとんど採掘されなくなりました。 清代の谷応泰は「黄玉を以って上と為す、白玉これに次ぐ」と記され、清代の玉器の中には非常に質の良い黄玉があることが知られています。また、色が純粋できめ細めで清らかな黄玉は、白玉より高価で、中国新彊の玉材料の歴史資料にも稀れにしか記載されていないほど希少なものです。